40代女性、高血圧の相談で来院です。どうもいくつかの病院で診察を受けているみたいでした。
受診時、自宅の血圧測定記録を持ってきていただきました。
「そうですね、これを見ると血圧が130−150位、平均すると130台でしょうかね。」
「はい、でも診察室では良く170くらいになるんですよ。だからもう薬飲まないとダメかと思って。」
「なるほど、血圧が高くて特別困っている症状はありますか、普通は何もないと思うんだけど。」
「特別ありません。」
「そうですね、まず診察室の血圧計の目盛りの最高値はどうなってますか?」
「はい、280ですね。こんなに高い人いるんですか?」
「私は260の人を見たことありますよ、普通に歩いてきてました。」
「あら。」
「なので、170の血圧でも、いますぐにすぐに大事件が起こることって滅多にないと思います。」
「そうなんですね。」
「でも、毎日の血圧が140を越えてくるともう脳梗塞の危険が増えてくるんです。発症確率はそんなに高くはないんだけど、やっぱり脳梗塞はならない方が良い病気だと思うんですよ。」
「本当にそうです。」
「あと、脳梗塞までにはならなくとも、脳の小さな血管がダメージを受けて認知症の誘因にはなると思います。同じ理屈で高血圧は腎臓にも悪いんですよ。」
「そうなんですか、実は腎臓も悪いと言われていて、どうしたらいいか分かららないんです。」
検査結果を見てみると、腎臓の機能を示す値eGFRが56という数字でした。
「このeGFRは腎臓の機能を表す数字で、すごく乱暴に言うと腎臓があと何年使えるかって言う数字になるんです。あなたの場合はあと56年使えると言うふうに考えると、100歳までは使えると言うことになりそうですね。」
「そうなんですか、そんなに使えるんですね。」
「はい、ただこの数字は数が大きいうちは結構誤差も多くて、数が30に近くなるとかなり正確な数字になります。あなたの場合も去年は46だったので、今年は随分と良くなっていますがこれもだいぶん誤差が入っていると思います。なので、半年後に再検査しましょうか。」
「はい、わかりました。今までで一番しっくりきました。」
「そうですか、私はいろいろ乱暴に言っちゃうのでそう感じてもらえたのかもしれないですね。」
結局血圧も自宅で測定してもらって140を越えてくるようなら教えてもらうことにしました。
未来の予測は基本的にできないので、まず私はなるべくはっきりと現在の状態をお伝えするようにしています。それでこの方のように時間に余裕がある場合には、時間をおいて幾度かチェックすることでより正確に未来を予測できると思っています。
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