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血圧が190、脈拍が140回あります


70代男性、血圧で加療中です。
今日は血圧が190、脈拍が140回あるとの事で来院です。
「大丈夫ですか?」
「うん、そんなに辛くはないんだけど、血圧も脈拍もおかしくて。」
声はとっても元気そうです。早速状況をチェックすると、血圧はBP100/60と自宅の血圧とは逆に低めで、でも脈拍は毎分140回ありました。現在の状況とはあまりに違うので、まずは自宅の血圧の190は無視して考えることにしました。
「特に思い当たることはないですかね、熱が出ているとか。」
「職場に行く前に血圧が高かったから、薬をもう一個のんだくらいかな。」
まずは不整脈で血圧が下がっていないかを確かめるために心電図をとると、走った時の同じ脈、つまり不整脈ではありませんでした。ただ、診察室の脈拍が140だったのですが、心電図をとるとき(横になってとる)には脈拍が110台に下がっていました。
「不整脈ではないようですが、横になるだけで随分と脈拍がゆっくりになるんですよ。これは脱水になった時によく起こるパターンなんです。」
「そういえば、僕本当に水を飲まないんだよね。」
「それならそれが原因ということにして、水分を頑張って補給してもらいましょうか。」
その他の当日わかる範囲で血圧が下がる原因がないことを確認して、帰宅していただきました。
2日後
「あれからさ、OS1を一リットル飲んだら、脈が70まで下がったよ。でもOS1、高いよね。」
「普通のポカリで大丈夫ですよ。でも良くなってよかったです。これからは水分をちゃんと補給してくださいよ。」
「うん、了解。今日は漢方の胃薬くれないかい?」
医療における診断と治療はいつもハズレを頭に入れながら実際の方針を立てる必要があると思います。今回はすぐに良い結果が見られてよかったです。