60代女性。高脂血症で治療中です。
「何か、心配なこと聞きたいことありますか?」
「そういえば、この前TVでコレステロールの薬についてやってました。」
「なんて言ってました?」
「筋肉の病気がどうとか。」
「そうですか、でも副作用のない薬はないんですよ。」
「そうですよね。」
「普通の筋肉痛を感じる人は時々いますが、だいたいすぐ良くなる事が多いです。TVでは横紋筋融解症のことやってませんでしたか?」
「そうそうそれです。恐ろしいこと言ってました。」
「横紋筋融解症は大変な副作用なんですが、その頻度はとっても低いんです。私も計算した事があって、それによれば、今のペースでここで診療をしていると、100年に1人ぐらいの発症になると思います。」
「そうなんですか、それなら大丈夫ですね。」
副作用の全くない薬は効果もまったくないと思います。現在のコレステロール治療にメインで使用されている薬は、ごく稀に横紋筋融解症を起こす事がありますが、狭心症や心筋梗塞の患者さんにとって、その運命を変えたとても素晴らしい薬です。副作用のことを注意しつつ使えば非常に有効な薬になると思っています。
コメントをお書きください