50代女性、健康診断でコレステロール値が高いということでの受診です。健康診断の結果を見ると、LDLコレステロールが230とかなり高値のようです。
「悪玉コレステロール値が随分と高いですね。何か症状はありますか?」
「特にないんです。」
「そうですよね、通常コレステロールが高くても何も症状がないんです。でも、狭心症や心筋梗塞になるリスクが上がるんですよ。」
「そうなんですか。」
「はい。まずは日本動脈硬化学会が出しているアプリを使ってあなたのリスクを計算してみましょう。」
日本動脈硬化学会のアプリ『これりすくん』を使って計算させると、10年以内に動脈硬化(狭心症や心筋梗塞)になるリスクが10年間で1.3%、低リスク区分になりました。
「10年間で1.3%なんだって、どう思います?」
「そうですね、そんなに高くないですね。」
「なのよね、十分に低いと思う。でもね、医者をやっていてLDLコレステロールが230ある人は滅多にみないのよ、なので私は薬をのんでもらった方が安心です。」
「わかりました、薬はのむことにします。」
動脈硬化学会のアプリを元に考えると、薬はのまないで良いと考えるのが論理的ですね。でも、科学的な予測にも限界があるので、この方のように大きく正常値からずれている場合には、違った方法を取ることもあります。
これからは特に副作用には十分注意して経過を追っていこうと思っています。
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