28歳男性、3週間前から咳が出るとのことで初診です。
今までに他の医療機関にもかかっていて、喘息の吸入薬を含めて治療を受けていましたが良くならないとのことで来院です。
「胸部レントゲン写真では特に心配な所見はないですね。ですから、肺炎とかのすぐ治療をしなくてはいけない病気はないようです。
「はいわかりました。」
「ですから、基本的には咳が治まるまで待っていてよさそうですね。一度咳が出始めると、かぜの場合でも3.4週間は続くこともあるのですよ。」
「わかりました、おさまった場合は良いのですが、おさまらなかったら次はどこの科にかかったら良いのでしょうか?」
ふむ、どうも納得してくれてはいないようです。
「そうですね、咳は生体の防御反応の一つですし、一度咳が出始めるとどうしても喉が気になってしまっておさまらない事も多いです。その場合は全続に治療に切り替えるのですが、その薬はもう使っているので、薬としてはこれ以上の薬はないんですね。」
「気のせいと言われても、、」
「私としては、心配な病気はないと考えているので、それを納得して説明してくれる施設がいいと思います。」
「呼吸器科なんでしょうか?」
このような会話がしばらく続いたのですが、結局はどうして咳が出ているのか、それに対してレントゲン写真だけで問題ないと言うので大丈夫なのかが引っかかっているようでした。
「レントゲン写真では小さな傷がわからないんですよ。でも擦り傷や切り傷の程度の傷になるので、自然に治るのを待っていて大丈夫だと思います。」
「はい、わかりました。」
どうでしょう、納得度は50%行かなかったのかもしれません。話の展開として、私が「気になっている」に持っていくのが早すぎたようで反省しています。
すぐに納得してくれないハードボイルドな方でしたが、論理的に話してくれる人でしたので、会話は楽しめましたし、私もとても勉強になりました。
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