30代男性、動悸があるとのことで初診です。
「どんな動悸なんですか?」
「脈が抜ける感じです。」
「なるほど。」
「アップルウォッチに記録しているのがあるので、見てもらえますか?」
見せてもらうと、ばっちり心室性期外収縮の波形が記録されています。
「症状と、この波形が一致するんですね?」
「はい、そうです。」
「この波形は心室性期外収縮といって、基本的に無害なんです。」
「ほう、そうなんですね。」
「心臓の筋肉は基本的に手足と同じ筋肉構造になっています。ただ違うのは、手足の筋肉は脳からの刺激が無いとずーっと黙ってるでしょ。」
「そうですね。」
「心臓の筋肉も、同じように電気の刺激が来るのを待っているのですが、何かの都合でその刺激が来ないと、それで心臓が止まってしまいます。」
「こわいですね。」
「なので、心臓の筋肉の中には、自分で動ける細胞も混ざっていて、それがいざという時に命を救ってくれているんです。その細胞が時々焦って動いてしまっているわけで、大目に見てあげてくださいね。」
「わかりました。」
「でも、あまり脈の数がおかしかったり、胸が痛くなったり、気を失いそうになったらその時はまた教えて下さいね。」
「はい、そうします。」
クリニックにも携帯用の心電図記録計は貸し出し用に用意してあるのですが、アップルウォッチが見事に正確な診断にたどり着かせてくれました。
ガジェット好きの私としてはとってもうれしかったです。
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