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言ってくださいよと言われても


70代男性、高血圧にて治療中。
昨日、失神して救急病院で手当を受けたとのことで採血結果を持って来院。採血には異常がないようです。
「血圧が低くて失神したって言われました。」
「そうなんですね、それは私が出した薬が強すぎたからです、すみません。」
私がそう言うと
「いやいや良いんです。実は少し前から立ち上がった時にくらっとすることがあって、朝の血圧も110くらいに下がってたんです。」
「えーっ、それは言ってくださいよ。薬を減らさないといけないパターンです。」
すると患者さんが
「立ちくらみはすぐ治るので大丈夫だと思ってました、すみません。」
「いや、困るのは私じゃないんです。気を失ったらその時に何が起こるかはわからないから、ある程度血圧が下がって、立ちくらみがあったら、薬は減らさないとだめなんですよ。」
「ごめんなさい。」
「いやそうじゃなくて、、、、」
患者さんが、医師の治療に疑問や意義を唱えにく気持ちはよくわかります。今までにそれで嫌な思いを何度もしてきた患者さんもいらっしゃると思います。でもそこは頑張って一歩進んでもらわないと、なかなか良い治療にはならないと思います。
今日のような事は割とよくある事で、そしてなかなか解決が難しいのじゃないかなと思いました。