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症状を説明する言葉の難しさ


私たちが何かを考えたり、伝えたりするときには言葉は欠かせません。通常の会話では、言葉の意味で困ることはあまりないのですが、症状を伝えようとなると、通常使っている言葉と医学の領域で使っている言葉の意味が微妙に違うことがあり、それがコミュニケーションを難しくすることがあります。
一番よくあるのが「めまい」です。
辞書でめまいを引くと
めまい:目がまわること。目がくらみ、倒れそうになること。
となっていますが、「目がまわること」と「目がくらみ、倒れそうになること」とは、医学的に全く異なるメカニズムで起こります。
「目がまわること」は基本的に三半規管がからんだ症状。
一方で「目がくらんで、倒れそうになること」は脳の血流に関係している症状になります。
三半規管の異常は耳石のずれで起こってくることが多く、症状は重度でつらいですが、ほとんどが次第に良くなってきます。くり返すこともありますが、同じ症状をくり返すだけで(十分辛いのですが)、次の大きな症状の予兆であることは少ない。
一方たちくらみは一時的なものですぐ良くなるのですが、脳の血流がある程度以上失われた場合には気を失うことがあり、気を失った時に頭を打つなど、大けがに繋がることもあります。「目がまわる」よりもある意味重要な症状と考えています。
また立ちくらみは、血圧薬を多く処方しすぎていることにも起こり、これは医者側の問題になりますので、しっかりと何が起こっているかを評価したいと思っています。
ここでお伝えしたいことは、「めがまわる」と「めがくらむ」を区別して医師に伝える必要は無く、「めまい」の症状を、一緒にしっかりと分別していきましょう、そのためには遠慮しないで、体に起こったこと、その時感じたことを伝えてほしいということです。

 

私たちはプロなので、症状を伝えていただければ、それがな無害だとわかるまで考えることは止めません。