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もし患者さんに聞かれたら、上手いこと言ってください。


新しい薬や予防注射薬が発売されると、製薬会社はそれを使ってもらおうと営業活動に力が入ります。
私としては、特に新規の薬の場合にはその効果と危険性をしっかり把握しないといけないので、実際に製薬会社の担当者に詳しく説明をしてもらうようにしています。
今回は新しい高齢者肺炎予防のワクチンが発売されたので、その説明を聞くことになりました。説明によると、そのワクチンは、1年目は200回打って1人の肺炎を予防できるようです。2年目になると、150回で1人の肺炎を予防できるようになるようです。その肺炎は、稀に悪化するようですが、コロナウイルスのクラスター発生のような強い感染性は今まで認められていないとのことでした。
私としては、あまりに予防の効果を得られる比率が低すぎるので、このワクチンはそれほど有用ではないと判断しました。
担当者は「今後コマーシャルが始まるので、もし患者さんにワクチンの事を聞かれたら、上手いこと言ってください」とか言ってくるのですが、先に書いた理由で、私はそのワクチンを打ちたいと言う人を止める事はないですが、積極的に勧めることはありません。
どのようなコマーシャルが始まるかまだわかりませんが、妙に不安を煽るようなものなら、断固として抗議しなくてはいけませんね。